ビットコインから分裂し誕生したビットコインゴールド。ビットコインのマイニングの寡占化や電力の省エネを防ぐ可能性を持つアルトコインの1つ。今回はビットコインゴールドについて紹介して行きます。
ビットコインからハードフォーク(仕様変更)から誕生したビットコインゴールド。ビットコインのマイニングアルゴリズムが変更され、マイニングをするマイナーの分散化が実現し送金スピードの遅延などビットコインの問題点を解決することが期待されています。
ビットコンゴールドが誕生した背景には分散化したビットコインのネットワークをつくる為です。ビットコインはASICというマイニングを行う集積回路の開発で、一部の組織にマイニングが集中していました。
マイニングが集中してしまうと取引スピードにも時間がかかり、送金スピードが遅くなったりする可能性があるのです。マイニングをする人(マイナー)の考えや意向が非常に大きな影響力を持ちます。
また、仮想通貨においてマイニングが行えると十分に資産を増やすことができます。マイニングをすることで手数料として報酬を得ることができるからです。そこに目をつけたのが中国のマイニング集団。
ASICの技術を使って現在も成果を残しています。よって、そのようなノウハウがある人々によってビットコインのマイニングは独占化されつつありました。
そのような、中央集権的な作業から脱却しようとビットコインゴールドの開発が進んだのです。そして、2017年10月24日にビットコインから分裂し、11月12日にビットコインゴールドが使えるようになりました。
マイニングの技術はビットコインの公開からどんどん向上してきました。短期間で技術が飛躍してしまって一個人がマイニングに参入しようとしても太刀打ちできなくなってきたのです。
ビットコインゴールドは上がり過ぎてしまったマイニングの技術を早期に見直すことで個人にもマイニングのチャンスを広げ、非中央集権型や独占を防いでいきます。
ビットコインゴールドはビットコインから分裂しているために発行枚数はビットコインと同じ2100万枚。そして、ビットコイン所持者には同じ分のビットコインゴールドが配布されます。(配布終了の取引所もあり)
ビットコインと同数のビットコインキャッシュが配布されることで流動性も高く、決済方法としても使いやすくなります。それから、先にも紹介したようにマイニング方法がビットコインとは異なり、ビットコインのマイニングシステムは使えませんので非中央集権的なビットコインになります。
仮想通貨は取引があって価値が生まれるので、分裂してもビットコインと同数配布すると考えられています。
もう一つ差別化されている点はマイニングの難易度を調整する仕組みがビットコインとは異なることです。ビットコインでは一つのブロック(取引記録)をつくるのにおよそ10分かかる仕組みになっています。およそ10分になるように2週間ごとに調整されます。難易度調整の前後でマイニングの不安定さから送金詰まりを引き起こすこともありました。
一方、ビットコインキャッシュでは難易度調整がブロック生成毎となります。これによって、マイニングが安定し送金詰まりなどの問題を解決する期待が持てます。
ビットコインゴールドがビットコインの問題を解決する可能性のある仮想通貨ということはわかってきたと思います。しかし、デメリット、リスクも少なからず存在します。現在、考えられる問題点をみていきましょう。
実はビットコインゴールドですが、マイニングの難易度調整のため開発者によって公開前にマイニングされています。よって、その分のマイニング報酬を自分たちの報酬にするためにビットコインゴールドを開発したのではないかと推測もされています。ただ、断定的なものはありませんのでなんとも言えません。
仮想通貨ではメジャーで多くの人が利用しているビットコイン。ビットコインから分裂したビットコインゴールドにも注目は集まっています。しかし、ビットコインとは違うアルゴリズムを使っていますので予想していないバグが生じることもあります。ビットコインゴールドが使えるようになる直前にリプレイアタック(不正アクセス)への対策ができる技術者を募集していました。これは開発側とは関係のない外部の者が対応に当たることも意味しますし、不安になるかもしれません。それから、そのような技術者を募集しているということは実際に悪質なウイルスが仕込まれた可能性もあります。
ビットコインから分裂をしてビットコインゴールドも含め様々な仮想通貨が誕生しています。先にも紹介したようにビットコインの保有者には同数のビットコインが配られました。もし、今後もビットコインが分裂して様々な仮想通貨が出来上がるとすれば単純にビットコインが増えただけとも考えることができます。ビットコインの上限がない。そのような状態になってしまう可能性もあります。
ビットコインゴールドはビットコイン保有者に配られたアルトコイン。ビットコインと違うのはマイニング方法だけです。これからビットコインゴールドがもっと価値を高めるには決済手段に使えるなど実用性が出てくることが必要です。ビットコインの代替わりになるという位置づけになること。そうなれば有能なマイニング集団が計算処理の速度をあげる機械を開発すると考えられます。せっかく非中央集権を目指した仮想通貨だったのにビットコインとの差別化がなくなるため価値の低下につながる可能性があります。
そして、誕生当初、公表されていませんでしたが手数料の5%が開発陣のウォレットに送られているとの事実がわかりました。少し不信感を抱いた人もいることでしょう。
2018年1月初旬現在、ビットコインゴールドの価格は33,000円台。時価総額は5,500億円ほど。仮想通貨の時価総額では5番手、6番手あたりに位置しています。
2017年11月中旬と12月中旬頃に50,000円台に上昇。その後、下落と上昇を繰り返して2017年の年末年始から30,000円台で推移しています。
ビットコインやビットコインキャッシュとマイニングの差別化を図り問題点の解決に乗り出したわけですが、各取引所ではまだ慎重な姿勢を見せています。
よって、まだまだ不透明なところがあるのも事実です。問題点でみたように課題を抱えている仮想通貨であることも現状。どれだけの人々が利用するのか、同のようなメリットを感じられるかもう少し時間が必要。そう思った方がいいでしょう。
しかし、短期的な値上がりは実際にありましたので価格が下落した頃を狙って投機目的に保有するのはいいでしょう。長期的な保有よりも短期的な勝負で売買して見るのが良いと思います。
ビットコインゴールドを取り扱っている国内の取引所は今の所ありません。「Bitflyer」が取り扱う内容の発表を出しましたが2018年1月上旬現在、取り扱っていません。やはり、様々な懸念材料があったのでしょうか。今後の取り扱いを考えて登録が済んでいない場合、登録しておくといいでしょう。
海外の取引所では取り扱いがありますがヨーロッパ系の「HitBTC」、アメリカの「Poloniex」。そして、世界最大の仮想通貨取引所でもある「Bittrex」などで取引ができます。手数料の安さや売買量を考えると「HitBTC」、「Poloniex」がいいでしょう。