ハードフォークとは、ブロックチェーンのルールを変更する際に、既存のルールを無視して新しいルールに移行させブロックチェーンを分岐させることを指し、互換性のないアップデートとも言われています。
ビットコインは、利用者が増えると、元々抱えていた取引速度などの問題点が顕著化していきます。
それらを改善する方法の一つにハードフォークがあります。
ビットコインではハードフォークによって、2017年8月にビットコインキャッシュ、10月にビットコインゴールドが生まれています。
ハードフォークが起こる原因は、その仮想通貨の問題点を解決したり、コミュニティーの分裂などによって起こるブロックチェーンの分岐です。
今まで使用してきたブロックチェーンのルールと異なるアップデートをするので、互換性が全くないことになります。
つまり、新しいルールに則る仮想通貨は、新しい別の仮想通貨として機能するわけです。
ハードフォークをすると基本は同じでも仕様が異なる新旧2つの仮想通貨が併存しますが、最終的にどちらかが他方を駆逐することも考えられます。
また既存のルールと互換性のあるアップデートをする分岐はソフトフォークと言います。
ビットコインは、ハードフォークが予定も含めて多い仮想通貨になります。
2017年8月にハードフォークしたビットコインキャッシュは、12月中旬の時点ではリップルを抜いて時価総額3位になっています。
続いて10月にマイニングの問題点を改善したビットコインゴールド、11月には供給量が21億枚でビットコインの10倍となっているビットコインダイヤモンドがハードフォークしています。
12月以降はビットコインシルバー、ビットコインプラチナなどが予定されています。
イーサリアムからハードフォークした仮想通貨には、イーサリアムクラシックがあります。
これは「THE DAO事件」というハッキング事件の対応を巡ってイーサリアムコミュニティーが二分したことが要因となっています。
イーサリアムクラシックは、イーサリアム同様のスマートコントラクトなどの機能を持っています。
ハードフォークは互換性のない新しいブロックチェーンが分岐することなので、取引に支障がでたり、仮想通貨として存在が無くなる可能性もあります。
また、ハードフォークを頻繁に行い、安易に仮想通貨を増やすことができるような印象を与えると、その仮想通貨に対する不信感を持たれることになり、仮想通貨としての価値自体を失ってしまうこともあります。
ハードフォーク時、ハードフォーク元の仮想通貨を所有しているユーザーにはハードフォーク後の仮想通貨が付与されます。
しかし、仮想通貨を仮想通貨取引所で管理している場合、取引所によってはハードフォークによってできた仮想通貨が付与できない場合もあるので注意が必要です。
ビットコインでは今の所、ハードフォーク後の通貨もある程度時価総額が上がり、成功しているといえますが、ハードフォークという行為は仮想通貨の価値を下げることになる場合も多いため安易に行ってもらいたくない分岐とも言えるでしょう。