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国税庁、仮想通貨の所得計算(税金)に関する9問9答を公開。どのぐらいの税金がかかるの?

2018.02.19 更新

仮想通貨取引によって大きな利益を得た方や、これから利益を手に入れようとしている方にとって、仮想通貨に関連する税制度はとても気になるところだと思います。しかし、仮想通貨市場は最近になって盛り上がってきたので、まだ税制度についての認識が広く知れ渡っていません。そこでこの記事では、多くの投資家たちの疑問に応えるために、国税庁が公開した仮想通貨所得計算(税金)に関する9問9答をわかりやすく解説します。

国税庁が仮想通貨の所得計算についての9問9答を公開した経緯

2017年は、仮想通貨市場の盛り上がりとともに、多くの仮想通貨投資家たちが利益を得ました。そして、仮想通貨の取引によって得た収入に対する税金がいくらくらいになるのか?ということを気にする人も増えました。その結果、国税庁に多くの仮想通貨投資形から所得計算についての質問が相次いたので、国税庁は2017年12月1日に公式サイトで、よくある質問に対する回答を公開したのです。

国税庁公式サイト:
仮想通貨に関する所得の計算方法等について(情報)

https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/171127/01.pdf

国税庁が仮想通貨の所得計算についての9問9答の概要

国税庁が公開した内容は多岐に渡っているので、先に仮想通貨に関する所得計算について、概要を解説します。

原則として、仮想通貨の売買や取得、使用による所得は、「雑所得」として区分されて、20万円以上の所得を得た場合は確定申告が必要になります。

仮想通貨取引での所得 所得税率(住民税を含む場合)
195万円以下 5% (15%)
195万円以上 10% (20%)
330万円以上 20% (30%)
695万円以上 23% (33%)
900万円以上 33% (42%)
1,800万円以上 40% (50%)
4,000万円以上 45% (55%)

株取引やFXとはちがって、「申告分離課税」が適用されないので所得に応じて税率が変わり、最大だと所得税+住民税で55%の税率がかかります。(所得額にかかわらず住民税が10%なので、最大で55%になるということです。)

なお、一部では「仮想通貨で得た所得は税率が55%かかる」という間違った認識が広まっていますが、それは仮想通貨による所得が4,000万円以上になった場合だけです。

具体的な所得税率は、上記の表を参考にしてください。

仮想通貨の所得計算についての9問9答をわかりやすく解説

ここでは、国税庁の9問9答をわかりやすく解説します。なお、国税庁の発表では具体的な数値を用いた例も示されているので、細かい内容を確認したい場合は、国税庁の公式サイトを確認しておきましょう。

仮想通貨を売却して日本円を取得した場合

ビットコインなどの仮想通貨を売却して日本円を取得した場合、「売却額」から「仮想通貨の取得価額」を引いた額が所得になります。

仮想通貨決済で商品を購入した場合

最近では、ビットコイン決済を取り入れているビックカメラのように、仮想通貨決済ができる店舗が増えています。その場合、「購入時点での商品価額」から「支払った仮想通貨の取得価額」との差額が所得になります。

仮想通貨同士の売買

仮想通貨は日本円だけではなく、仮想通貨同士で売買することもできます。その場合、「購入した仮想通貨の時価」から「支払った仮想通貨の取得価額」との差額が、所得になります。

仮想通貨を複数回購入した場合の価額算出方法

仮想通貨を複数回に分けて購入することは珍しくありません。そして購入するタイミングによって、仮想通貨の価額は変わります。そのようなケースでは、複数回にわたって取得購入した仮想通貨の取得価額は、移動平均法を用いるのが相当とされています。ただし、継続して適用することを要件に、総平均法を用いても差し支えないとされています。いずれにせよ、複数回に渡って購入した仮想通貨の取得価額の算出には、上記のどちらかの方法を用いるということです。

仮想通貨の分裂で新コインを取得した場合の所得計算

ビットコインがビットコインキャッシュに分裂したときのように、分裂前の仮想通貨を保有していると、分裂後の仮想通貨が保有者に分配されます。所得計算をするうえでは、分裂後のコインはその時点で「取得価額0円」という扱いになります。もしその通貨を売却した場合は、「売却額」から「取得価額0円」を差し引くことになるので、売却額がそのまま所得となります。

仮想通貨の所得区分

仮想通貨の所得区分は、事業者が事業用資産として使用している場合をのぞき、原則として雑所得として区分されます。

仮想通貨取引で生じた損失

もし仮想通貨取引で損失が生じた場合でも、給与所得などの他の所得と通算することはできません。つまり、仮想通貨取引で100万円の損をしたとしても、その分を給与所得などから差し引いて税金を下げることはできないということです。

仮想通貨のFX取引で得た所得の扱い

いわゆる株取引やFX取引では、「申告分離課税」という税制が適用されていますが、仮想通貨のFX取引では「総合課税」という区分になります。「申告分離課税」では所得にかかわらず税率が一定ですが、仮想通貨による所得は「総合課税」なので、先に紹介した表のとおりの税率がかかります。

仮想通貨をマイニングで取得した場合の所得

マイニングで仮想通貨を取得した場合、事業者が要件を満たせば事業所得になりますが、一般的には雑所得になります。そして、「マイニングした時点で取得した仮想通貨の時価」から「コンピュータなどの必要経費」を差し引いた額が所得になります。

仮想通貨に関する税制度には今後も要注意

仮想通貨市場は最近になって一気に広まり、多くの人が混乱したため、国税庁がこのような回答を公開することになりました。そして、現時点ではまだ税制度が完璧に整っているとは言えません。今後も、仮想通貨の税制度が整備されていく過程で私たちに大きな影響を与える変化が起きる可能性があるので、仮想通貨取引をしている方は税制度に関するニュースを注視しておきましょう。

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